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Project Members TALKS
guest
カンキツスタンド オレンジ | 株式会社Staple
岡野 爽 さん
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カンキツスタンドオレンジは、広島県尾道市にオープンした柑橘ジュースの専門店で尾道駅の構内でお店を構えています。運営会社はStapleという会社で、日本橋と瀬戸田の他に数拠点で事業を展開しています。瀬戸田に「SOIL Setoda」という施設を開業したことをきっかけに、瀬戸田の農家さんとも仲良くなりました。今や広島といえばレモンが有名になりましたが、柑橘ももっと知ってもらいたいよねという、農家さんと私たちには共通の想いがあることを、今日はお話ししたいなと思っています。
お店では、シーズンごとに異なりますが20〜30種類ほどの品種のジュースを取り扱っています。その中から日替わりで3種類のジュースを飲み比べできるメニューがあって、柑橘を身近に感じてもらう場所になっています。
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瀬戸内海の恵みをたっぷりと。
年間を通して雨量が少なく、日射量が多いこの土地では、美味しい柑橘がよく育ちます。特に、しまなみ海道の真ん中に浮かぶ瀬戸田は、海に面した傾斜地に作られた柑橘畑が多く、柑橘がよく育つ条件が揃っています。多くの生産者がさまざまな種類の柑橘を栽培しているのも瀬戸田の特徴です。島では、70種類近くの品種が生産されているとも言われています。
柑橘ジュースに使われる柑橘も、通常では販売できない柑橘を搾汁していると思われがちですが、決してそんなことはありません。一つひとつ丁寧に選定された柑橘を搾汁したジュースは、驚くほど濃厚で味わいの輪郭がはっきりしています。
柑橘を”ジュース”にしてお届けしたいと思った理由。
なんで柑橘そのものではなく、ジュースにしてお届けしているのか?それは、柑橘ジュースは搾汁後、半年から1年程度、おいしさを保ち味わうことができるんです。
そして、ジュースにしたいと思った理由は他にもあります。
「かんきつばなれ」
分厚い皮の品種は特に、皮を剥くのが面倒で食べなくなってきているという現状を聞き、「かんきつばなれ」が進んでいるように感じています。
たくさんの品種があるけど、みかんしか知らなかった、という方もおられたり。品種の違い、そしてその味の違いである魅力が伝わっていないことに改めて気づきました。
葡萄は何千種類の品種がありながら、ワインには産地・品種を楽しむ文化があります。その文化を柑橘に取り込めたら、柑橘はもっと可能性が広がると思ったんです。ノンアルコールなオレンジジュースはもっと身近なものとして、全世代の方々に楽しんでもらえるものになると思ってます。
「観光シーズンと柑橘の最盛期が真逆」
私は因島出身ですが、関東などで”島”の印象を聞くと、あたたかい常夏なイメージを持たれていることが多くて。サイクリングは春か秋、夏は海遊び。せとうちへの観光を思い浮かべるとそんな季節をイメージされると思います。だけど、柑橘の収穫シーズンの本番は12月から3月。柑橘のシーズンに現地でもぎたての柑橘を食べてもらいたいところですが、みかん狩りはぶどうやいちご狩りほどポピュラーでもありません。どうやったら鮮度の高い柑橘の味を届けることができるか?という気持ちを解消するためにも搾汁したジュースがそれを叶えてくれます。
「正規の金額で売れない?!」
農家さんは見た目がA級品のものだけしか、正規の金額で売れず、たった少し傷が入ってしまっただけで、果物屋での販売ができなくなったり、買い取りの価格が下がってしまうことがあります。または売れなくて廃棄してしまう。同じ味の柑橘なのに捨てるのはもったいない!私たちは、できるだけ同じ価値を付けて販売できればと思ってカンキツスタンドをスタートしたのも経緯の一つです。
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私たちのチャレンジ
私たちがお店を運営する中で大切にしていることは、「生産地から直接届けます。」という言葉を体現すること。尾道デニムプロジェクトにも参加者さんに毎週会う時間が大切であるという思いを聞きました。
カンキツスタンドでは、現在8名の個人農家の皆さんから毎週仕入れをしていて、ほとんど毎週農家さんにお会いしています。
例えば、同じ温州みかんでも農家さんごとに味も違ったりします。伺うことで畑の状態や、イノシシが出たんだよ!などなど、日々どんなことが楽しくて、どんなことが苦しくて、リアルタイムな出来事をたくさん聞いて、見て。取り引きのためだけに形成される生産者との関係性ではなく、農家さんと一緒にカンキツスタンドを運営する関係性を築いていきたいなと思っています。
柑橘へのつながりがジュースからだけではなく、いろんなところから作っていけたらいいなと思ってまして「柑橘バック・甘夏3個分」という商品名のアイテムをつくりました。使わなくなった魚網を走島から譲っていただき、これを持って島を歩くとみかんを入れてくれることもあったりしてるそうですよ🍊
いろんな方法で、いろんな機会や場をつくって
柑橘から島への「玄関」になれたらと思ってます。
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RW PJに参加しようと思ったきっかけは?
尾道デニムショップに置いてある、デニムの残糸(よこ糸)からできたリユースしたソックスを知ったことがきっかけでした。
私たちの事業でも、使えなくなるかもしれない部分に価値を与えて使えるようにしたい、魚網のバックもそうでしたが、良いものを長く使うということが素敵だなと思ってそこに共感しました。何か一緒にできないだろうかと思って声をかけた時に、このプロジェクトのお話しを聞きました。
このPJのように長期目線の活動って忙しないこの現代の日本の中で、意外とたくさんあるものではないなと思ったんです。私自身も日頃から、ショップのスウェットとかをデザイナーさんと一緒に作ったりと、つくることや使うことで伝えられることがあるのではないかと思っています。産地でワークウェアをつくり、地域のみんなで取り組むこの活動をご一緒したいなと思ったポイントでした。
RW)カンキツスタンドさんのスタッフさんにも参加していただくことになりましたね。これから1年間RWのワークウェアを着ていただくのですが、1年後を想像してどんな形を想像されますか?またこのPJへの期待などもあれば教えてください!
柑橘で染める何かができたら面白いなと思ってみたりしました。
みかんの葉っぱやレモンで染めると、淡いベージュで染まるのかなと思っていたんですが、色々調べてみるとしっかりとした黄色やオレンジ色が表れたりしているものもあるので、そんな可能性に広がると嬉しいなと思います!
RW)このPJにはたくさんの業種の方にご参加いただいて、それぞれの業種の強みが存在しています。横のつながりを作って異業種コラボにつながることもできたらいいなと考えてます。RW自体が”循環”を視点に持っているので環境配慮にも気を配りながらいろんなトライをしていきたいです。
カンキツスタンドでは、スタッフのユニフォームとしてRWのワークウェアを採用させていただき、1年の活動を共に歩んでいきます。
カンキツスタンド
広島県尾道市東御所町1-1 JR尾道駅ビル 1F
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SOIL Setodaとは?
SOIL HP
RW note:【REKROW with WORKERS 100 PROJECT】REKROWから新たな産地型のプロジェクトが始動!
https://note.com/rekrow_hiroshima/n/nda5231527736